会社のＯＢ会に参加。会の始まる前に恒例の全員そろっての記念写真だ。
死んだ奴はいないかの確認作業のようなもんだ。ジジイがこんだけ集まるとなんかカビ臭い。
そういう自分も立派なジジイのくせに「自分はこの中では若い方だな。女にもてるんだったら自分以外無いな」などと考えている。
ＯＢ会と言っても近況報告だ。
やれ町内会の衛生委員長をやってます（それってゴミ収集場の掃除当番だろ）とか地元の遺跡発掘調査の手伝いをやっています（自分が遺跡みたいなジジイじゃん）とかが長々と続くんです。
その中で「日本全国のお城を写真に撮って回っています。市民ギャラリーで展示会をやるんで見に来てください」っていうジジイがいた。
おぉ！カッコいいじゃないか。
プロのカメラマンが持つようなゴッツイカメラを構えている自分の姿を想像するととても良い気分になる。
周りにいるジジイ連中に聞いてみると写真を趣味としているジジイが結構いるようなのだ。
そう言えば会の始まりに撮った記念写真のカメラもＯＢ会メンバーのゴッツイカメラだったな。
カメラに詳しいやつが結構多くて話を聞いていても理解できない単語がやたらと飛び交いチンプンカンプン。でも分かったふりをしてフンフンとうなずく。
知らないでは博識で通っている私のプライドっていうか見栄が許さないのだ。
ヨシ！決まった写真にしよう。
今どきのカメラはデジタル式でフィルムやら現像代がかからない。
一度買ってしまえば後は金がかからない。運が良ければ写真がネットで売れるぞ。
趣味と実益はもちろんのこと個展なんぞを開いた日にゃ私のことを「先生」って呼んでくれるかもしれないね。チョット照れるじゃないか。
ＯＢ会の酒に酔ったか私の目は宙を泳いでいるのでした。
プロローグ・・５ へ続くのです。
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