灯台を訪ねて- 平館灯台 Tairadate

平館灯台(たいらだて とうだい)

青森県 東津軽郡 外ヶ浜町 字平舘(ひがしつがるぐん そとがはままち あざ たいらだて)にある灯台です。

航路標識番号(国際番号) 1504
位置(緯度経度) 41 10.5N,140 38.6E
灯質 単閃白光 毎5秒に 1閃光
灯高(平均水面から灯火中心:m) 23
光達距離(M:海里(1M=1852m)) 7
構造 白塔形
高さ(地上から構造物頂部:m) 23
備考 明弧166° ~ 355°
訪問日 2019年 9月10日
マップコード 828 617 586*61

ちなみに灯質欄の「単閃白光 毎5秒に 1閃光」とは?

海上保安庁さんのホームページの中に分かりやすいページがあります。
灯光の色と光り方(灯質)」をご覧ください。
この灯台の場合「1周期を5秒としてその間にピカッと1回光る」を繰り返すことになります。

灯台の位置です。

国道280号線より少し東の海側に灯台は立っています。
灯台のすぐ近くに車を停めておける場所も有ります。
平館灯台は津軽半島の北東端にあり、平舘海峡を隔てて下北半島があります。平舘海峡の幅は青森ー函館間で最も狭くて約10㎞。
灯台の向こう側に下北半島がくっきりとその岩肌まで見て取ることが出来ました。

まず初めに確認です。
灯台の名称は「灯台表」によると「平館灯台」です。「館」の文字の「へん」は「食へん」になっています。
灯台の建っている地域は「平舘」。「平舘」の文字の「へん」は「舌へん」です。
なぜ灯台だけが「館」の文字を使用しているかは調べても分かりませんでした。

灯塔は鉄筋コンクリート造り。表面はタイル貼りになっています。

灯台の上部です。
写真の撮る方向が下手ですね。暗弧側(必要以外の光の発射を防ぐために遮光板が貼られた側)から撮っちゃいました。
右に太陽光発電パネルが設置されています。
灯台に繋がる電線が見当たらないので電源は太陽光発電システムのようですね。

灯器です。元々は第4等級のレンズを使用していて内径500㎜、高さ722㎜ありました。
現在はLEDに取り換えられています。大きな灯ろうの中で寂しそうですね。

青森海上保安部さんが建てられた看板です。
ここでいくつかの「?」が。
「?の1」、「平舘灯台 施設の概要」ですが「舘」の文字が使われています。
「?の2」、「等級及び灯質」ですが、現在はLED灯器を使用してあり、「第4等」では
      ありません。それに伴って「光達距離」も「14.5海里」ではなくって、最初の
      表に書いたように「7海里」に変更されています。
      もちろん「光度」も64000カンデラではないでしょうね。
この看板の内容は最初に建てられた鉄造りの旧灯台と建て替えられた現在の鉄筋コンクリート造りの内容がごちゃ混ぜのようです。

燈光会さんが建てられた看板です。「周知板」って呼んでいます。
いつも思うのですが、このタイプの「周知板」は見づらいです。
「灯質」、「光度」そして「光達距離」の部分に白いテープを貼って見えなくしています。
仕様変更後の処置なのでしょうが、イマイチですねよ。

見づらいので転記します。

「平館灯台
 平館灯台は、平館海峡の要所、明神埼に位置し明治三十二年四月一日に
 鉄造、白色六角形の第四等灯台として点灯しました。七十余年の歳月
 を経た昭和三十五年十二月、改修工事が施され現在に至っています。」

ここでまた「?」が。 ・・・「平館灯台」は合っていますね。
でも「平館海峡の要所、・・」の場合は「平舘海峡」だと思います。
「?の3」、「70余年の歳月を」って書いてありますが明治32(1899)年4月1日から
      昭和35(1960)年12月ではその間約61年8カ月。
      「60余年」なら分かるのですが「70余年」では10年異なります?
      このような看板を建てるのですから何度も確認しているはずです。
      何か意図があってのことだと思います。
      燈光会さんに聞いてみました。
      色々と調べていただいたのですが古いことで良く分かりませんでした。との
      ご回答でした。

「?の4」、「平館海峡の要所、明神埼に位置し・・」って書いてありますが
      「明神埼」ってどこですか?国土地理院の地図を見ても見つかりません?

灯台の下部にある入り口です。
もちろん鍵がかかっていて中に入ることは出来ません。
右下に門柱が立っています。「平舘灯台」・・「舌へん」の「舘」ですね。?
入り口扉の上に「初点記念額」が貼ってあります。
灯台名はなんて書いているのでしょう。

「平館灯台」・・「食へん」の「館」ですね。「灯台表」と整合します。

その下に「初点 明治32年4月   改築 昭和60年2月」・・・おや?
ここでまた「?」が。
「?の5」、燈光会さんの「周知板」では「昭和三十五年十二月、改修工事が施され現在に
      至っています。」って書いてあります。
      「改築」と「改修工事」の言葉の違いはありますが同じことを指しているので
      あれば、どちらかの日付が違っていることとなります。
      これも燈光会さんに聞いてみました。
      結果、「改築と改修工事は別物で、どちらも正しいです。昭和35年にコンク
      リート造りへ改修し、その後に実施した改築を記念額に初点とともに表示して
      います。」とのご回答をいただきました。

「?の6」、「初点記念額」の枠右下に文字が刻まれています。
      「平館村長 木村 武〇」 ※最後の「〇」は文字を隠しています。
      これって揮毫者(きごうしゃ 元となる文字を毛筆などで書いた人)の名前だ
      と思われます。
      揮毫者は色々。海上保安部長さんだったり、市長さん、町長さん、小学生の場
      合もあります。
      この場合は「村長」さん。
      でもなぜ「平村長」じゃなくって「平村長」なのでしょうか?

平館灯台は多くの「?」がありました。
こんな「?」を解明していくのも灯台を訪ねる楽しみになっています。

360°の映像です。

平館灯台 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

灯台さん  ありがとう!会えてよかった!また会えたらいいな。

さて、帰ることにしましょう。
次はどこの灯台へ行きましょうか。      「灯台リストへ」


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